テーマ「テレビ」

テレビが身近になってずいぶん経つ。今年はついに3Dテレビも発売され、私たちを取り巻くテレビ視聴環境も変化しつつある。日常の情報収集ツールのひとつとしてすっかり定着しているテレビだが、果たしてテレビを観ることは良いことだろうか。

確かに、テレビを観ることには良い点がある。日常の行動範囲ではとても知りえない広い世界の情報が常時流れており、好きなときに眺めることができる。しかし、必ずしもテレビを観ることを手放しに推奨することはできない。

遠く離れた場所の情報をうまく整理して伝えてくれる番組を興味深いと感じることもあるだろう。だが、テレビは受動的なメディアなのである。テレビを眺めることが常習化すると、情報を一方的に受け取る習慣がついてしまう。番組を見ていると、自分で考えるまでもなくテレビの中で結論まで流してくれるため、実際に理解したかどうかはさておき、全部分かった気分になる。その結果、自分で情報を整理したり物事を考えたりする能力が身につかなくなってしまう。子供の頃からテレビを観すぎる習慣がつくと、これらの能力を身に着けることなく大人になる。

社会で自立した一個人として活躍するためには、自分で考える力は必要不可欠である。テレビの持つ良い面、悪い面を理解しながら上手に付き合っていく必要がある。