ボランティアについて

問題提起

日本においてもボランティアという言葉自体は広まってきたが、欧米に比べて生活の身近なところにまで普及していない。では、日本人にはボランティア精神が欠けているのだろうか。

意見提示

確かに、日常のスキマ時間でスマートにボランティア活動を行う欧米に比べると、日本人にはやや縁遠いように感じられる。しかし、定年した年配の方、主婦や学生を中心にボランティア活動を行う人が少なからずいるため、日本人もボランティア精神を持っていると考える。

展開

元々、日本では「助け合いの精神」「寄り合い」など村単位での自主的な奉仕活動が盛んに行われていた。高齢者の介護や子供の世話、治水活動や道普請などは村人同士の協力で賄っていた。しかし、高度成長期を迎え、都会へ人口が流入して核家族化が進んだ。社会構造の変化により地域社会と家族とのつながりが薄れてしまい、村社会で行われていた奉仕活動が都会では行われなくなった。つまり、社会構造の変化による過渡的なものであり、日本人としての気質が問題なのではない。近年、都会でも地域コミュニティの活性化に向けた取り組みや各種ボランティア活動が行われるようになり、新たなつながりを得た日本人は再び助け合いの精神を発揮しつつある。

結論

したがって、私は日本人もボランティア精神を持ち合わせていると考える。